金閣寺

南天堂の貴重な回転本です。

金閣寺
金閣寺
posted with amazlet on 06.06.10
三島 由紀夫
新潮社 (1960/09)
売り上げランキング: 3,217


先日、くまねこ堂さんのお二人が京都観光でお越しになられていました。幸運にも私は午後から仲の良いお二人とご一緒させていただくことができ、何箇所かご案内したのですが、その一つが鹿苑寺(金閣寺)でした。


「せっかく京都まで来てくれたのに、なんでわざわざベタな金閣寺へ連れて行く?」


こんな風に思う方がおられるかもしれませんが、実は観光タクシードライバーでも鹿苑寺の良さをパーフェクトに伝えることのできる人は数少なく、私は全く無知と言っても良いほどです。

一般に鹿苑寺と言えば、金閣を思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、実は金閣鹿苑寺の中では、見るべき対象の一つにしかすぎません。

鹿苑寺を観る場合、まずは夢想国師が作庭したとされる鏡湖池を中心とした浄土式庭園として、眺めると良いかと思います。つまり一つの庭として散策するのが最も楽しめる方法だと言えると思います。

義満の盆栽の松から作ったと云われる陸舟の松(帆船のような形になっています)や、龍門の滝、安民沢、白蛇塚、夕佳亭(せっかてい)など見所満載の庭園です。

夕佳亭は金森宗和好みの茶室として建てられ、うちの屋号にも使わせてもらっている太さ10センチほどある南天の床柱があったり、萩の違い棚などの趣向が凝らされています。

鹿苑寺臨済宗相国寺派の寺院で、金閣は京都三名閣の一つに数えられています。三名閣の残り二つのうち銀閣はすぐに分かるでしょうが、もう一つ、西本願寺内の飛雲閣(ひうんかく)をご存知の方は、かなりの京都通だと思います。


修学旅行などで学生時代に鹿苑寺を訪れたことがあるという方は多いと思いますが(私もその一人です)、大人の目線で見てみる鹿苑寺は以前観た時と全く違う風情を味わわせてくれると思います。